曲者はいつになっても曲者。彼らの前に現るる

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「おいつかねぇぇ!」 「ふりきれねぇぇ!」 永遠と追い掛け合いをする千尋と清水。周りはただ見てるだけだが、異変に気付く。 その頃に早川と桜井がちょうど親睦を交わしていた。 「へぇー!メイちゃんマーチングするんだ!私のとこもしてたよ!」 「そうなんだー!」 なんてのほほんと会話をしていると、桜井があれあれと言い出す。 「あんな子いたかな」 それは清水を追い掛ける千尋をさらに笑顔で追い掛ける謎の少女だ。 「うわ!」 早川はびっくりしたように叫んだ。 「知り合い?」 桜井が早川に聞く。 「知り合いも何も、橋本南ちゃんよ!クラリネットの!」 「うそ~、別人!」 桜井は驚きながらも楽しんだ目で橋本を見る。 「あのこ、ああすると人が変わるのよ……」 「にゃっははは!まてまて!新井千尋ぉぉ」 「だ、誰だーー!」 千尋が疑問を抱きながらも体操服の橋本という文字を見て脚を止めた。 「たっち」 「にゃっはははは!」 橋本はやられちったみたいな顔して20秒数え始めた。各々あれが橋本と理解し始めたようだ。 「たっち仕返しなしよー」 経堂寺が呑気そうにルールを補足した。千尋は橋本にたっち仕返されることはない。 「20!」 橋本が走る大勢をとった。
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