433人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんなもんか。前にやったおかげで一通りは完成だな」
進藤の言葉で自然と休憩に入ったトロンボーンデュオの2人だ。
「はいっ。ほんと進藤くんとの練習は為になりすぎます!」
早川は両手を胸にあて、進藤に尊敬の眼差しだ。進藤くんと呼ぶのも変に定着している。
「いや、こちらこそ。さすが早川ってとこだな」
進藤は口に手を当て、ふっと笑った。
またまたー、と、進藤が含まれているとは思えない暖かい空気が流れる。
「そ、そうだ。人形とか、すきか?」
進藤がカタコトに聞く。
「え?……………あ、はい!」
早川も突然の質問で焦っているようだ。早川は自らのトロンボーンケースを持ってきては「じゃーん!……です!」と言ってケースを見せてきた。
そこには3体程かわいらしい人形がついていた。
進藤は「ほぅ」といいマジマジと人形をみつめた。
「ん。な、なら」
と言って進藤はある人形をカバンから取り出した。
前にゲームセンターでとった人形だ。
「わぁ、可愛いですね!進藤くん意外とこんなの好きなんですか?」
「ち、違う!その、いらないからやる」
やる。という表現が進藤らしい。
「え!?いいんですか!?」
「い、いい」
進藤は早川の手にポンとそれを渡した。
早川は無言でそれをケースにつけている。進藤はそれをマジマジとみていた。
「じゃーん!……です」
人形が4個に増えた。
「ありがとうございます。大事にしますね」
早川は笑顔でお礼を言った。進藤はただ、ぎこちなく「おう」と返した。
剣山が言うことが綺麗に行き過ぎて剣山を尊敬する進藤がいた。成長しているのかなんなのかは分からない。
進藤、夢咲高校に好きな人いなかったっけ?(神川談)
最初のコメントを投稿しよう!