曲者はいつになっても曲者。彼らの前に現るる

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お昼ご飯。 各々音楽室へと帰ってきた。 ただ、千尋と清水、そして桜井は帰ってきていない。 「おい、あの馬鹿共はどうした」 「いや、わかんねぇ。多分また帰ってくるだろ」 進藤なりの気遣いと剣山なりの気遣い。結果、放置。 「とりあえず飯食おうぜ」 「あぁ」 剣山と進藤は近くにあった椅子を引っ張り出し、座って食べ始める。 神川は水木と橋本と一緒に食べているが、神川は面白半分に橋本の髪の毛を上げては可愛い可愛いと叫んでいる。 「早川、水木達の所で食わんのか」 剣崎が楽譜を整理しながら早川に言った。 「いや、その」 「なんだ、進藤とでも食べたいのか」 「いや!その!」 剣崎は自分のカバンから弁当を取り出し、早川をつまんでは連れて行った。 「あわわわわわ」 「剣山、進藤。すまん、私と早川が一緒するぞ」 「!、剣崎部長さん!いいっすよ」 剣山がびっくりして軽くむせていた。 早川がチラッと進藤を見たが、進藤は黙々とメロンパンをかじっている。 「(ははーん。剣崎部長もさすがだな)」 剣山は悟った。剣崎も悟った剣山を見てフッと笑った。
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