曲者はいつになっても曲者。彼らの前に現るる

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あれから昼に合奏をしたが、経堂寺はため息混じりに感動していた。 人数がいない分ジャズバンド気味だが、しっかりと迫力はある。 その日は朝早かった為に三時には解散を食らっていた。 一条メンバーは4時頃、片付けがてらにいつもの会議室兼楽器倉庫の大きな机に囲むように座っていた。 「まったく。あんだけ実力あられちゃこっちもついて行くのに必死ったらありゃしない」 神川が珍しくうなだれるように机にひれ伏した。 剣山も笑いながら首を縦に振った。 「なんだかんだで吹奏楽って感じだな」 千尋はニヤッとした。進藤はキモッと呟き卓上乱闘だ。 7月の話はすでに聞いており、期間的には10日程でその日がやってくる。こちとら曲は決まりきっているので、心配する事は無いらしいが。 「進藤よー。あの言ってた子に会えるんじゃないの?」 剣山がニヤニヤしながら聞く。 「うるさい」 「あら、早川さんはどうするのよ?進藤先生?」 神川が追い討ちをかける。進藤は耐えきれず立ち上がり音楽室の方へと歩き出した。 「あら、言い過ぎたかしら」 神川がクスクス笑う。 桜井は何故かトランプタワーを作っていた。すでに6段は組んでいて、千尋は息を吹きかけるタイミングを狙っている。 千尋は8段で我慢できず息吹きかけて桜井に殺されました(神川談)
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