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「ほぉぉぉ!」
桜井が一番に反応したかと思えば奇妙な声をあげた。ビックリする所だったんだろうが、桜井のおかげで妙な雰囲気が流れる。
「あの1人で部活してた人だね!」
「ん?あぁ、まぁ、そう」
北条はあまりの微妙なリアクションに桜井の質問に対して反応が遅れる。
「なるほど。寂しかったですか?」
「ん…………確かに、いや、まったく」
北条がなにやら言い直す。
「悲しくなりませんでしたか?」
「な。ならない」
「私なにやってんだろうとか思いま――――」
「まてぇぇぇえい!!」
北条が桜井の質問に涙を流し叫び止めた。桜井の所謂天然記念物的KYが面白かったために他4人は止めなかったのは言うまでもない。
「てめぇら、私をバカにしてるな?OGだぜ?先輩だぜ?おお?」
突然怒りの形相になっては椅子に片足を乗り上げた。怒ったか。さすがに桜井除く4人は身構えた。
どうやらかなり早期に先輩の素性をみたようだ。
「おい、そこの。そのサックスよこせ」
「え?俺っすか?」
指をさされた千尋。呆気にとられるも一呼吸置いた後にストラップからサックスを外す。
北条はニヤリとしては千尋からサックスを預かった。
「あ、ストラップは」
「あぁ、いらんいらん」
北条は少しマウスピースやらリガチャーをいじってはすっと楽器を構えた。
――威圧感――――……。
構えただけで流れる圧。
全員が察知した。進藤に至っては表情が一変した。
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