今年の夏も気温と楽器が熱い

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「あーあっ。進藤の奴のろけやがって」 千尋がパタパタとノートを内輪代わりに自分を仰ぐ。 「雪といちゃいちゃしてるくせに良く言えるわね」 神川が冷たく返す。それには他のみんなもごもっともなようだ。 「ほんと進藤がああなるなんてなぁ」 剣山が頭の後ろで手を組んだ。 「あんたそっちの意味でも独り身だもんね」 「おい神川、そっちの意味で“は”だろ。ダブルで痛めつけるのはやめなさい」 剣山が反抗するも泣いていた。北条はヤレヤレといった感じで会場に歩き始める。 「あー、ほーちゃん(桜井の北条への愛称)は彼氏さんとかいるのー?」 桜井の言葉で北条は華麗に振り返った。 「今はいないけど、今まで付き合った数はわからないくらいね、ふふっ」 自慢げに言い放った。まさに私は大人の女と。 神川が「あぁ」と言い続けた。 「本性がバレては別れ付き合って本性がバレては別れ付き合って」 北条は無言で振り返ってまた会場にあるきだした。 「図星かい」 剣山のため息は熱くなり始めた会場付近に飲まれ消えた。
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