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「ん、千尋」
剣山が振り返った。
ちょうどホールの客席の一番後ろに当たる場所に何故か剣山は立っていた。そこには神川と桜井も居た。
「よう。なんだよお前ら、立って見てたのか?」
「いーや。こいつが知らない他の学校の人が座る席無かったのか知らないけど。譲っちゃったのよ」
神川は剣山のほっぺを捻る。剣山はただただ痛い痛いと言っている。
「しゃあねぇだろ!丁度三人分探してたし、残りのプログラムも少なかったんだからよ!」
剣山も必死に弁解する。本当に変な所優しい剣山だ。千尋は笑い混じりにため息をついた。
「んじゃ、俺もここでみるかなー」
千尋は足元にカバンを置いた。
その刹那、会場に忌々しいブザーが鳴り響く。
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