433人が本棚に入れています
本棚に追加
三人はなんとか情報を共有し合った。
杉山が中学一年のときの先輩が北条。
千尋が中学一年のときの先輩が杉山。
つまり、そういうことだ。
「てんめぇ、なんか杉山みたいな吹き方するなと思えば!!」
「そんなの!知らないっすよ!」
二人はびっくりしあっている真っ最中。
「そりゃ、俺の起源は北条先輩で、俺の受け継ぎは千尋だからな。なんという因果」
杉山がやれやれと、朝の時点ですでに顔を疲れさせていた。
「え!待った!んじゃあ剣崎先輩も後輩なんすか!」
「当たり前だろが!言ったじゃねえか!」
「聞いてない!なんも聞いてない!」
「言った!言ったね!剣崎ちゃんも私にお前が後輩だなんて聞いてないもんね!」
「そっちのが面白いと思ってな」
三人の輪の中にさっそうと現れる三条高校部長、剣崎瞳。
「言わない方が現場でおもしろいだろう」
剣崎はクスクスと笑った。
杉山、千尋、北条の三人は顔が疲れていた。プチ六中吹奏楽会はこれで幕を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!