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「だから…駄目」
「嫌です」
職員室でひたすら経堂寺に楽器をふかせてくれと頼む進藤
経堂寺は少しため息気味
「わかったから。考えとくから………」
経堂寺妥協
「絶対ですよ。」
進藤は無表情で職員室を出る
そのまま靴箱へ
靴を出そうとするがハート型の手紙が入っている
読まずに靴箱の上に置き 何事もなかったかのように靴を出し履く
そしてふと校門の方を見ると千尋が不良グループに紙を投げられているのを見た
「(………いじめ?)」
とりあえず進藤は校門まで歩き出した
そして千尋の前に立つ
千尋は気付いていないのか。無理もない
こんだけ人が通っているから
進藤は昨日 千尋の存在に気づかなかったので 千尋がなにしているか 今 型紙を見て把握した
そして落ちている くしゃくしゃになったチラシを拾い 広げて読む
「すぐにへこむタイプだな」
「え?」
千尋が顔を上げる
上げても あの憎たらしいイケメンしかいない
「半分かせ」
「な、なにする気だ!」
「いいから」
千尋は渋々 警戒しながらもチラシを半分渡す
「同情してやるよ。阿呆」
すると進藤はチラシを配り始めた
「お前………」
「いいからさっさと配れ」
千尋は初めて進藤に笑みを浮かべてやった
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