理由のためだけの存在

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さらに次の日 部員募集から5日目 志願者0 さすがに千尋もへこたれてきた。 もうだるくてだるくて 机にひれ伏している すると、教室から人がいなくなっていく なんだ………? 千尋がガバッと起き上がり、状況を確認する 「(なにがあったんだ………)」 ガンッ 頭を後ろからなにか固い物で叩かれる 「いってぇぇぇぇ!」 「音楽だ。阿呆」 進藤がリコーダーで殴ってきたらしい めちゃくちゃ痛い 「てめぇぇ!今日は許さねぇぇ!」 千尋がリコーダーを机から抜き出し、進藤に襲いかかる 「………う」 「うるぁぁぁ!」 リコーダーとリコーダーがぶつかる 進藤がうまくリコーダー攻撃をガードした 「ち……………教えてやったのに」 「んなもん普通に教えてくれてもだなぁ!」 2人はリコーダーで殴りあう ガラガラ 「おぃ、馬鹿共、さっさとでろー。鍵締めなんだよ俺」 教室のドアが開き、茶髪短髪の男が立っている さらに耳にはピアス たしかにここの学校の規則は緩い。だからといって 髪そめたりするような“一年生”はマレにもなかなか見ない 「………」 進藤がリコーダーを懐に直し、無言で教室を出た よく見れば無表情と言うより、軽くむっとした 引き締まった表情をしている モテる要素ってか クソ進藤め 千尋はガルガルいいながら 教室を出た 「な………なんだあいつ…」 茶髪の男は千尋を見送ったあと鍵を閉めた
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