理由のためだけの存在

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「(今日は掲示板に貼る!)」 放課後、千尋は 次の作戦 「昨日のチラシを掲示するよ作戦」を実行する 経堂寺から頂いた 20枚程度のチラシを 許可を得た掲示板に貼りに行く… またまた 我ながらあっぱれ 千尋はカバンからチラシを取り出すとカバンをまた肩に掛け直す そして千尋が掲示板の数とチラシの枚数を計算していると 聞いたことのある声 「おーい、勧誘は結構だが鍵しめさせてくれ」 剣山だ そういや鍵閉めはアイツだった 「あ、ごめん」 千尋は教室をかしこまりながら出ると、剣山はカチャッと音をならして鍵を閉めた そして帰ろとする剣山を千尋はふと、呼びとめてしまう 何故か… ひっかかる 「なぁ」 「ん?」 少し口を尖らせた剣山がこちらに振り向く 「なんで…やらないとか考えたの…?勉強とか?」 千尋がさっきの質問の続きを聞く 剣山はあまり表情は変えなかった 「聞いてどうする」 その威圧に千尋は立ち向かう 「俺は楽しいからやりたい。やめたい理由を知ってみたい。」 千尋も 負けないくらいの威圧を剣山にぶつける 「幸せなこって。やめたい理由ねぇ…………………………………………………人が信用できないからだよ」 最後の言葉は 悪意に満ちた目で 千尋になにかを訴えているようだった 「なん………で」 剣山はふと表情をもどす 「吹奏楽なんて。やってたら身がもたない。大嫌いだ」 千尋は軽く ショックを受ける 悪印象だったかなぁ 剣山はそのまま歩き出し、帰っていった 「(だから………ああなのかな…)」 千尋は少し 寂しい気持ちになった 今は、いつも以上に
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