理由のためだけの存在

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放課後。 千尋と進藤は嫌々いいながらも2人だけで1組で待機。剣山が「少し待ってろ」と言い4組に向かった。 丁度4組前で先程弁当を一緒に食べていた友達と仲良さげに話している神川を発見。 剣山は少しためらいながらも後ろから神川の肩を叩いた。 「あ、剣山!ごめん、みんな。コイツに少し話あるから待ってて!」 神川がいきなり友達たちに断って剣山を引っ張り教室内に入れた。 「剣山!余計な事言ってないでしょうね」 「い、言ってねぇよ。それよりなんで林の事を」 「……別に理由なんてないわよ」 神川が鞄の紐を強く握った。 「理由ないんだったらさ……なんであそこまで言うんだよ」 「だって…………だってさ。好きだけど、自分に素直になったら大嫌いなのよ」 剣山が首を傾げ「なにが?」と言う。 「好きな人はあたしから離れるし、あたしの1番誇れる吹奏楽を簡単に追い越して……」 「だから、じゃあなんであんなに仲が――」 「うるさい!!一々聞かないで!!あたしにもわからないのよ!!今考えたら大っ嫌い!」 神川が目をゴシゴシと制服の裾で吹いた後、剣山を残して教室を去った。 結局また勧誘どころじゃなかったため2人に言い訳を考える剣山だった。
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