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「あ、あのごめん。無理だった」
剣山が2人が居る1組に入ったのち、頭をかきながら「あはは」と言った。
千尋がにっこりして剣山の前に立ち肩を叩いた。
「つるちゃん。カッターと包丁どっちがいい?」
いつの間につるちゃんになってるんだ。
「つるちゃんは嫌だ」
「…………はぁ…………やっぱり難しいかぁ」
千尋が急にため息をついて床に座り込んだ。進藤も目を窓へと向けた。
「……あ、ごめん」
剣山は真剣に落ち込む(?)2人を見て本当に申し訳ない気持ちになった。
1人で行くにせよこのむさ苦しいメンバーで行くにせよ剣山には突破口を見つけることは出来なかった。
「……ちょっと、待てよ」
進藤が急にこちらを振り向く。
「んだよ猫。トイレか?」
「黙れ。煮込まれたいのか」
「何やってんだよ2人とも!」
睨み合う千尋と進藤をまた剣山が止める。まだ会って間もない割にはもう決まり事になってしまった。
「千尋は正座してろ。で、天才進藤、なんか思いついたか?」
「いや、ただの報告になるけど、あいつにまだ一回も勧誘の話持ちかけてないぞ」
千尋と剣山は間髪いれず「たしかに!」と口を揃え言った。
千尋が初見1分で嫌い宣言された事と林騒動で勝手に「駄目だ」と思い込んでいた3人。
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