自分に素直な自分

3/25

433人が本棚に入れています
本棚に追加
/248ページ
「吹奏楽入らないか?」 「は、はぁ?」 結局3人は考える有余も無く、残りの備兵(千尋命名)である進藤を神川の元へと出向かせた。 神川は放課後する事がないのか、教室で友達とだべっている事を知っていた剣山はそれを2人に伝え行動させた始末この現状。2人は廊下から体を伏せ4組のドアの小窓から進藤を見守った。 「あんた剣山と居た人よね。ここ吹奏楽ないでしょ?」 「まだ無い。メンバーが集まれば楽器を貸してもらえる事ができる」 進藤は相変わらず冷たい言葉と目線。神川は友達を背にして少し警戒していた。 「……その前にさ、あんた学年トップクラスの成績の進藤よね?次いで1人者の」 進藤は眉を少し上げ歯を食いしばった。 「(帰りたい)」 「万年1人者の剣山と、林の彼氏の友達いない新井と。何があって一緒にいるわけ?あんた勧誘したの?」 神川は攻撃するように言葉を並べていく。進藤は降りかかる言葉に一切の挙動を見せない。 ただ、千尋と剣山は拳を握りしめイライラを2人で頑張って押し殺していた。 「俺が誘ったわけじゃないが、メンバーがいれば楽器を吹ける。俺も経験者だ。だから協力してる形。あと2人、あと2人入れば――」 「なんであたしなの?」 進藤の言葉を神川はもっともな質問で遮った。
/248ページ

最初のコメントを投稿しよう!

433人が本棚に入れています
本棚に追加