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「それは、入ったら教える」
進藤はこの場で教えるつもりは無かった。きっと勧誘に不利になると悟ったからだ。
「ちょ、なんて言ってるかわかんないんだけど」
千尋が小さな声で剣山に話しかける。剣山は「俺も」と小さく返した。
「あいつ失敗したのかな」
「成績トップの進藤だ。きっとやってくれるに違いない」
「あんまり関係なくね?」
小さな声で無駄な雑談を繰り広げる2人とは違い 進藤はさらに話しを進める。
「お前は4人目だからもうすぐだ。楽器が吹ける。聞く話、上質な楽器があるらしい。悪くないだろ?」
進藤がわざと口元に笑みを見せる。めったに見れない進藤の営業スマイル。本当に必死らしい。
「いいよ。入ってあげないこともないわ」
丁度それが廊下から聞こえた馬鹿2人はガッツポーズ。
「ただし…………新井は監禁しながらの活動で」
「OK。お安いご用だ」
ガラガラガラガラ
「なにがお安いご用だ進藤テメェェェ!」
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