自分に素直な自分

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「えー、はい。こんにちは、経堂寺です」 4人は楽器を吹きたいと一度は立ち寄ったこの経堂寺の机前。 経堂寺は相変わらず席になんの悠長もなく堂々と座る。 「新井、進藤。まぁさぁかぁ!本当に出来るとは思ってなかった。特に駄目だと思ってたコイツ」 経堂寺が剣山を指差す。 剣山がそれと同時に遠くを見る。 「はぁ…………えとね、私経堂寺が新井と進藤に『楽器吹きに来た奴全員勧誘できたら楽器吹かしてやる』ってのを一週間を期限にやらせたわけ」 「だからあたしが入ってたわけね……やっとわかった」 神川が「うふ」と言いながら笑う。何故に嬉しいかは不明。 「で、やるに当たって顧問いるでしょ?あたしがなるって決めたわけ。はぁー、ほんま計算外」 経堂寺が机に顔を伏せバンバンと机を叩く。横の机にあるカップのコーヒーの水面が揺れる。 「剣山は絶対に入んない自信あったのになぁぁ。なんか友達とか出来てないし」 「あのー、先生、聞こえてますがぁ」 剣山が手を震わせながら上げる。 とりあえずあと1人いればなんとか顧問付きの正式なクラブが成立する所まで来たようだ。
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