自分に素直な自分

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「なんで俺だけ1人ネタ引きずるんだよ……」 剣山がブツブツ言っている間に4組についた。もはや神川が男子を引き連れている状態。 神川が友達に手を振っていたが、周りから見れば 学年成績トップのイケメン進藤 周りに何故か忌み嫌われ茶髪にピアスと言う荒れた人間剣山 ある意味一番見た目が微妙な特徴無き人間千尋 そんな別々の3人を神川が引き連れている姿はまさに不可解極まりない。 「さぁ、まず1人目」 神川は3人に目で教えるようにして見た先に居たのはいたって普通の女の子。友達と笑いながら話している。 「んじゃ、行ってこい!」 何故か神川がいきなり剣山の背中を強く押して桜井1人目の方向へと突き飛ばす。 「全然話しが違うじゃねえかぁぁぁ!!!」 剣山が叫ぶも時すでに遅し。桜井1人目が不思議そうにこちらを見ていた。 「あ、あの……吹奏楽やってましたか?」 剣山が咄嗟に聞くと首をふられた。 「どうも」 剣山が桜井1人目に頭をさげてかなり厳つい顔で帰ってきた。 「神川。カッターと包丁どっちが――」 「駄目か。んじゃ次の桜井さんはあれよ」 剣山の話をまったく聞かずに目を向けるは教室の隅で漫画を持ちながらアニメの話をする人達の1人。 「確率は高いわよ」 神川が進藤の服の袖を掴み桜井2人目へと向かって突き飛ばした。 「…………ちっ」 舌打ちしながらも仕方なく体制を整え、不思議がる桜井2人に聞いた。 「吹奏楽経験者ですか?」 「い、いいえ」 「そうですか」 進藤は素っ気なく返しこちらに帰ってくる。 「違った」 「あぁそぅ。んじゃあの子か。ここに今いないのよねぇ」 「おい神川。千尋もいないぞ」 「逃げたな、猿」 どうやら明らかに次に突き飛ばされるのは千尋。どこかに行ってしまったらしいが教卓の下から出てきた。 「誰が猿じゃゴラァァ!」 「見つけた。行くぞ」 「わかりやすい奴だな」
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