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すると教室の扉がガラガラと開く。
「やっぱもう5人集まってたかぁ」
経堂寺が4組の扉をあけるなり手の平で顔を隠した。いわゆる「あちゃぁ~」って言う時の仕草。
「残念だったな経堂寺。約束通り楽器を吹かせて貰おうか」
進藤が何故かいきなり生意気口を叩く。
「ちょっとー、これどう言う意味よ?話よくわかんなーい」
桜井が少しムスッとする。神川が早口で説明を始める
「マズアノアライガスイソウガクノカンユウヲハジメダシタトキニアタシタチガガッキフキタイッテイッタワケソシテキョウドウジセンセイガアライトシンドウニガッキフキタイヤツラゼンインツレテキタラガッキフカセテアゲルイワユルクラブノコモンニナッタゲルッテワケダカライマソレガセイリツシタノ……よ!」
「なるほどー!」
「なんて適当な説明なんだ」
剣山が苦笑い。
「ほら、楽器保管室につれてったげるから。おいで」
経堂寺が手元の大きめの鍵をちらつかせた。
「よっしゃぁ!」
千尋が先頭切って経堂寺を追いかけた。
「ガキが」
進藤がボソッと言った。
幸い千尋には聞こえなかった。
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