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「ご存知の通りこの音楽室の横にあるのが楽器保管室よ」
経堂寺が手を扉に向けて説明する。
進藤以外は手をソワソワさせて「はやく吹かせて」と言っている。
中にはもう吹かないとか言ってた奴もいたくせにこの有り様。
自分に素直になるには色々と必要みたいだ。
カチャカチャ…………
カチャン
楽器保管室の扉が開くと あの楽器特有の匂いが直ぐに鼻に入った。
中学校時代が勝手にフラッシュバックする。
「ん？待てよ」
経堂寺が部屋に入りかけると急に止まる。
「なんだよ先生！早く吹きたい！」
千尋が経堂寺の背中を押すが経堂寺はビクともしない。
千尋は少しビックリしていた。
「あんた達楽器なんだっけ？」
千尋は進藤がボーンくらいしか知らなかった。確かにそこは気になる。
「俺アルトサックス！」
千尋が手を挙げる。
「ボーン」
進藤がそう言うと経堂寺を押しのけ部屋に入ろうとするが失敗。
「あたしクラリネット」
神川はクラリネット。
「わたしはトランペットだよ」
にっこりしながら桜井。
「ち、チューバだけど」
と剣山。
すると経堂寺が苦笑いした。
「無駄にバランスいいわねー。めっちゃムカつくんですけど」
経堂寺がついに振り返り部屋に入る。
それに続き５人も中へと入った。
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