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「このノート……まだ続きがある……」
桜井が電話番号に透けて見える次のページへとめくった。
「『私は北条杏奈。今日この吹奏楽部に気付いた。この学校吹奏楽部あったんだね。どうやらこれを書いている先輩も先生も居らず、別の管理者に頼みこの場所に来た。』……って書いてる……」
桜井がカクカクとした言葉で言い終わった後、全員で首を傾げた。
『なにしに来たんだこの人』
桜井が笑い、またページをめくる。日付は1ヶ月飛んでいた。
「『部員がアタシしかいない。勧誘しても成果無し。一年生すら入らない始末。もう駄目だと思う』」
桜井がまたページをめくりびっくりした顔をする。
「『明日で卒業する。結局毎日来て吹いていたもののクソ面白くない。ちなみに元部長さんの電話は繋がらなかった。この部は今日をもって完全に潰れた。』」
桜井が最後らへんを悲しそうに読んだ。一気に全員のテンションがダウンした。
「繋がらないのかよ」
剣山も小さな突っ込み。
「この北条って人の電話も乗ってるよ」
桜井が経堂寺にそれを見せる。
「よし」
経堂寺が携帯を出しカチカチと打ち始めた。
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