夢への布石

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「楽器の腕なんて余裕で俺より上で、口論になってもいつも結果はだせなかった」 「男?」 千尋が下から覗きこむように進藤に言った。 「いいや。女性だ」 剣山は 「(こいつが女じゃなくて女性と言うなんて)」とひたすら頭で考えていた。 神川がクラリネットをトロンボーンの横に置き、進藤との向かいの席に座る。 「どんな感じの人?」 進藤は少し顔をしかめ、黙っていた。 「……………俺に無関心な人だった。…………いつも突き放されて。静かで、扱いが残酷で………………とても綺麗な人だった」 4人の表情に衝撃が走る。 「(あ、あいつ今なんて言ったぁぁぁー!?)」
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