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「は?」
進藤はやっといつもの憎たらしい顔を千尋に向けた。
「いやー。俺そこ落ちたからここなんだぁ……あはははは」
そんな理由じゃなくて、何故そんな偏差値の高い高校を受けたのかが謎だ。
「なんで受けたの?」
「いけるって言われたから……それに行きたかったから」
すると剣山が千尋の肩を組み残念そうにした。
「お前、騙されたんだな……」
「えっ。何何!?俺ってそんなに……」
「馬鹿猿が……」
進藤が軽く笑う。
「とゆうか、進藤落ちたんだ……」
「俺はそんなに賢くない。勘違いするな」
進藤が立ち上がり、トロンボーンを手にとり構えた。
「俺は馬鹿だ。馬鹿だからそれなりに考えも馬鹿だ。だから、ライバルは“潰す”もんだって思ってる」
進藤がそのまま音楽室を出ようとした。出て行き際に
「なかなか上手くいないがな」
とだけ言い出て行った。
3人は唖然としたままだったが、桜井は中学の時に吹いたらしい曲を吹いて楽しんでいた。
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