四月と言えばクラス替えだよね!

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野宮先生に連れてこられたのは体育館のステージ裏、周りでは生徒会の連中が忙しそうに走り回ってる。 「お前ら二人は新入生への祝辞をやれ」 「「はい?」」 俺と咲月は同時にすっとんきょんな声を上げていた。 この人今何て言った?祝辞? 「ちょ!」 「あー…お前らに拒否権は無い。 これは決定事項だ」 「そういうのは生徒会長とかの仕事でしょうが!」 「会長はバックレた」 「他の役員にやらせれば!」 「祝辞を述べれば新入生に顔を覚えてもらえるぞ?」 「やってやろうじゃないですか!」 意見を180°反転させて野宮先生の腕をがっちりと掴む俺。 いや、露骨に嫌がらないで、担任だろ? そんなことより、ここでいい所を見せれば新入生からの株が上がって… 「先輩……実はわたし…初めて見た時から先輩のことが…」 なんて理想的なシチュが実現するじゃねぇか! 「最低…」 なんか咲月が言ってるが気にしてられるか! 「俺がやるのはいいですけど原稿は?」 いくら会長がバックレたって言っても原稿くらいは… 「ん?時間も無いから適当にごまかしとけ」 甘かった…天津甘栗より甘かった…… 「ちょっと!」 「引き受けたならやり通せ。 それと七瀬…」 咲月は野宮先生に呼ばれて端っこで何か言われてる。 あ、何か嫌そうな顔だな。 と思ったら顔が真っ赤になって、今度は意地悪な顔してる。 クルクル表情が変わるやつだな、どんな特技だよ。 と、そんなことよりも祝辞だ。 何言えばいいのかさっぱりだよコンチクショー! 「やっぱり何も考えてなかったの?」 頭を抱える俺の前にいつの間にか救いの咲月降臨! 「幼馴染のお前なら困った俺を…」 「嫌よ」 「あれぇ?」 「宗クンが全校生徒の前で恥を晒すなんて面白そうだし」 口元を緩めて楽しそうに笑う咲月。 これが小悪魔ってやつか。 つかコイツは自分の興味だけのために俺の尊厳を叩き潰す気か!? 「うん」 頷かれちゃった、グスン…
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