6.臨時国会

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車の中のモニターでその状況に歯を噛み締めていたラブ。 そこへ、ロシアの官房長官ラルフ・ヴェノコフから電話が入った。 『ラブさん、研究所が大変な状況になってしまいました。嵐を想定すると、救助には大型のヘリが多数必要となります。先ほど緊急脱出装置の作動を確認致しました。たとえ、脱出したとしても、荒れた海です。救命筏が持ちこたえられるかどうか・・・。感知圏外へ流された場合、発見できる可能性は極めて低いと思われます。一刻も早く救助が必要ですが、我が国の軍は間に合わないのです。・・・実は私の娘のヴェロニカも研究員として、そこに・・・。助けてください。』 ラブは、ある事情で、ラルフの家に厄介になったことがあった。 民主的で、優しく、決して偉ぶらない彼を、ラブは信頼していた。 『ラルフ長官、お久しぶり。落ち着いて・・・ますね。この前はご馳走様でした。奥様は元気ですか?また今度お邪魔しますね~。とりあえずは、できる限りのことはやってみます。長官の頼みじゃ断れないし!後は私に任せてください。』 冷静に明るく応えてはいるが、その目は真剣そのものであり、深刻さを物語っていた。 電話を切ると、目を閉じて暫く考え込んだ後、アイに指示を出した。 『アイ、世界中に目を見張ってて。些細な異変も全て私に伝えて。』 そして、彼女は一本の電話を掛けた。 『ラブです。折り入って、あなたにお願いがあります・・・』
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