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―天界―
「いいですか!これは卒業試験です!死の宣告を受けた人間をその時刻どおりに狩るのがあなたたちの仕事です!できなければ留年です!!」
真っ白さを保つ細かい彫刻が施された大きなホールに女の人の声が響いた。
「はい!」
たくさんの声がして、同時にばさっと翼を広げ、彼らは飛び立った。
―人間界―
厳しい寒さを乗り越え、徐々に暖かくなっていっている今日。もうまわりは卒業シーズン。
「はぁ~。」
ため息を吐く一人の少女。彼女は夏目学院高等学校の三年生、高杉亜子(たかすぎあこ)。友達は一人もいない孤独な少女。朝から屋上で一人景色を眺めるのが日課だ。
今日も亜子は見慣れた景色を見ていた。
「あーつまんない。」
そう呟いていると、見慣れない光がこっちに向かってきているのを見た。
「なにあれ?」
眉間にしわを寄せてそれを見ると、亜子のほうへどんどん迫ってきている。
「!!?」
亜子がそのことに気が付いたとき、もうその光は亜子の隣に物凄い音を立てて落ちていた。
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