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「な、なに!?」
亜子は急いで隣を向く。すると、亜子と同じくらいの年の子がゆっくりと起き上がった。見ると、背中には羽が生えていた。
「羽…。なに?あんた、天使なの!?」
亜子はその子に向かって叫んだ。
「あっ、違います。死神です!」
その子はあっさりと答えた。
「死神!?」
「そうです!あなた以外の人には見えないようになっているので、助けはありませんよ!!」
死神はそう言って漆黒色のかまを空中に出現させた。
「あたしを殺しにきたの?」
「そうです!死神専門学校の卒業試験で、死の宣告を受けた人間を狩らなければいけないのです!だから…。」
「いいよ。狩れば?」
「…、えっ?」
あっさりと答えた亜子に死神は思わず聞き返した。
「いいよ、殺して。あたしも死にたかったから。」
「…怖くないんですか?いきなり死神があらわれて、命を奪うなんて言って!」
「何であんたが死ぬのを嫌がらせようとしてんのよ!あたしを狩るのがあんたの役目でしょ!だったら、死にたいといってるあたしをあんたが殺して、あんたはめでたく卒業!それでいいじゃない。」
一歩も引かない亜子に死神は唖然としていた。
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