試験です!

3/9
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「な、なに!?」 亜子は急いで隣を向く。すると、亜子と同じくらいの年の子がゆっくりと起き上がった。見ると、背中には羽が生えていた。 「羽…。なに?あんた、天使なの!?」 亜子はその子に向かって叫んだ。 「あっ、違います。死神です!」 その子はあっさりと答えた。 「死神!?」 「そうです!あなた以外の人には見えないようになっているので、助けはありませんよ!!」 死神はそう言って漆黒色のかまを空中に出現させた。 「あたしを殺しにきたの?」 「そうです!死神専門学校の卒業試験で、死の宣告を受けた人間を狩らなければいけないのです!だから…。」 「いいよ。狩れば?」 「…、えっ?」 あっさりと答えた亜子に死神は思わず聞き返した。 「いいよ、殺して。あたしも死にたかったから。」 「…怖くないんですか?いきなり死神があらわれて、命を奪うなんて言って!」 「何であんたが死ぬのを嫌がらせようとしてんのよ!あたしを狩るのがあんたの役目でしょ!だったら、死にたいといってるあたしをあんたが殺して、あんたはめでたく卒業!それでいいじゃない。」 一歩も引かない亜子に死神は唖然としていた。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!