0人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「あなた…。本当に死にたいんですか?」
しばらくして死神が口を開いた。
「そうだよ。」
少し笑みを浮かべながら亜子ははっきりと答えた。
「わかりました!んじゃあ、私が楽しませてあげましょう!」
「はぁ!?」
つい亜子は大声で叫んでしまった。
「なんでよ!あんたは私の命を狩りにきたんでょ!?」
「そうです!でも、楽しいことがないまま死なせるのは嫌です!」
死神はきっぱりと鎌をにぎりしめたままいった。
「私が殺してって言ってるんだからいいじゃない!!」
「いいえ!そうはいきません!」
「なんでよ!!」
亜子は死神を睨み付けた。
「それは、私があなたにいい思い出を作ってあげたいからです!死ぬのに、何もないまま死ぬのはあまりにも可哀想だから!」
死神は真剣な表情で言った。
「あんたの気持ちは知らないの!いいからはやく…。」
「大丈夫です!あなたが死ぬのはまだ先のことです!私はあなたが死の宣告を受けた日にしか狩ることができないのです。」
死神は亜子の言葉をさえぎってにっこりと笑顔で言った。
最初のコメントを投稿しよう!