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弁当を食べおわって、亜子達は階段を下りていた。
教室がある二階まで下りたとき、
「危ない!伏せて!!」
「えっ?っきゃあっ!!」
急にメルが鋭く目を尖らせ、空中に鎌を出現させ、横に振り回した。
ガシャッ
何かが壊れた音がした。
「何!?なんなのいきなり!危ないじゃない!!それに、あんた、不用意に鎌をださないでよ!あんたが死神だってばれるわよ!」
体を起こしながら亜子は大声で怒鳴った。
「大丈夫です!死神の姿のときは見えないようにしてありますから!」
真顔でメルは答えた。見ると、メルは死神の白いワンピースを着ていた。羽も広げている。
「それより、これを見てください!」
そう言って、メルはさっき鎌を振り、壊したものを見せた。
「なに?それ。」
小さな機械のようなものをまじまじと見ながら亜子は尋ねた。
「これは天界の対死神用に作られた小型の戦闘ロボットです!卒業試験にはもう一つ、課題があるんです。」
「えっ!私を狩るだけじゃないの?」
「はい。この小型ロボットは、死神だけでなく、死の宣告を受けた人間も襲うんです!私たちのもう一つの課題は、人間が死ぬ日までこのロボットから人間を守ることなんです!」
人間へと姿を変えながらメルは言った。
「へぇ~。」
亜子はそんな返事しかできなかった。
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