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「そうだ!そんなことより、早く教室に戻りましょう!友達づくりです♪」
目を輝かせながらメルはスキップで進みはじめた。下にはバラバラに砕かれたロボットが無残に散らばっていた。
「まったく…。片付けぐらいしなさいよ。」
ふぅっとため息を吐きながらも残骸を避けながら亜子はメルを追いかけた。
「ちょっと、あんた!そんなに期待しないほうがいいよ。」
教室の前でメルの腕をつかむ。
「?なんでですか?」
メルはドアに手を掛けたまま、亜子のほうを向く。
「ウチのクラスはいくつかのグループに分かれてるから、相手が認めないかぎりは友達とは認めてくれないよ。」
どこか申し訳なさそうに下を向き、亜子は言った。
「そうですか…。ならば、私は素直に友達に接するだけです!『嘘』をつかずに!」
メルはにこっと笑って答えた。
「嘘をつかず…?」
「そうです。自分にも、友達にも、嘘をつかず、正直な気持ちで接したほうがいいんですよ!」
そう言ってメルは教室のなかに入っていった。
「嘘をつかずに…正直に…。」
ドアの前で一人ぶつぶつとつぶやいている亜子だった。
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