[物語は始まり……]

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あなたは過去を愛せますか? 楽しかった思い出、辛かったあの頃、今だから許せる昔の事、今を変えれるあの言葉、誰にも言えない過去。 様々なありとあらゆる有象無象の過去が今を生きてるあなたを作り上げています。 記憶に残らない程の些細な日常が、忘れてしまう程のちっぽけな出来事が今あなたを方向付けているのです。 臆する事はありません。 隠し立てる意味はありません。 忘れるための努力は必要ありません。 辛い事ならばそれを撥条に、良い事ならばそれを糧にして今と言う戦場を駆け抜けて下さい。 立ち止まることは死を意味します。 決して立ち止まる事の無いよう明日だけを見ていて下さい。             那烏 あなたは恋してますか? わたしは恋してます。 恋つづけてます。 わたしは好きな人います。 大好きです。 とってもとっても大好きです。 でもみんなのことも大好きです。 みんなみんな大好きです。 だけどみんなへの好きとはちがいます。 わたしにはお母さんお父さんがいません。 だからお父さんみたいでうれしいです。 でもすこしだけえっちです。 えっちなのはだめです。 よろしくありません。 でもやさしいからゆるします。 大好きだからゆるします。 わたしが大人になったらけっこんしてください。 わたしのみさおをあげます。 ところでみさおってなんですか?              香 尊敬のできる奴はいるか? どんなにバカな奴でヘボくてダサくても尊敬できるとこはある。 例え鈍感で空気が読めなくてもいいところはある。 変態で妄想ばっかりしていてもいい奴はいる。 こうやって皆で尊敬し尊敬されていれば争いはおきない。 皆仲良く暮らすことができる。 いつまでも仲良く。 だって一人は辛いから。一人じゃ喧嘩することさえできない。笑い合うことさえも。 だから、オレは笑い続ける。 変な奴だと笑われようと、バカみたいだと言われようと。 その先にある平穏を信じてただ一生懸命に。 あんたは笑っているか? 笑顔を絶やさず、にこやかに。              鏡 それぞれの思いが交錯する中、唐突にしかし緩やかに物語は始まりを告げた。
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