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図書館のパソコンは壊れていてどうにもならなかった為、ソーラは図書館の従業員に頼んで直してもらった。
『ったく、手間がかかる…』
ソーラは不機嫌に呟くとパソコンを起動した。どうやら完全に復活したらしく、画面に映像が表示される。ソーラは検索画面にもっていくと、検索ワードを打ち込む。
『確か名前は…』
アリア・エアハートと名前を打ち込んでみた。すると画面上にいろいろな項目が表示された。その中から該当するものを適当に選んでは他の項目を開いていく。虱潰しの作業をひたすら続けていくこと一時間、ついに探していたものを見付けた。項目を開くと写真と同じ顔をした女性が映し出された。
『アリア・エアハート…ロケルメの街の町長の娘か…。こんな普通の娘をさらって何の得がある?人身売買か…』
ソーラは懐から携帯を取り出すと番号を打ち込み、待っていると相手と繋がった。
『もしもし、こちらクロス探偵事務所…』
『俺だ。ソーラだ…調べてもらいたい事がある…』
『何だお前か…。今度は何を調べれば良い…。豪邸の見取り図か?それとも警備員共の武器でも調べればいいってのか…?』
電話の向こう側から聞こえてきたのは枯れた声。明らかに面倒臭そうな反応をしている。男の名はクロス…。表面上は探偵をしているが裏では名の知れた情報屋だ。
『嫌そうに言うな。今回の依頼が成功したら分け前の二割はお前にやるつもりだ。今回の依頼人、かなりの金づるだ…』
『分かった。いろいろ探っとくよ。期待して待ってな…』
クロスは落ち着いた口調で言うとこちらの返事を聞かずに電話を切った。ソーラは通話が切れた携帯の画面をしばらく見つめていたがポケットにしまい、暇つぶしにパソコンを使い、自分も調べ物の検索作業に取り掛かった。
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