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私が某県で働いていた頃ですから、もうかれこれ十数年前のことでしょうか。
当時私は工場に勤めていました。いやね、なんてこともない、小さな金型工場ですよ。いわゆる中小企業。従業員も数十人程度だったかと思います。
で、私は金型を作る工程に従事していたわけです。自動車に使われる鉄板を想像して頂けると有難いんですが、それを大型金属圧縮装置に挟み込むわけです。そして高熱でプレス。ボタン一つで圧縮、完成です。
ある日、私が普段通り作業をしていた時です。確か梅雨時の、曇った陰鬱な天気でした。
作業場には私ともう一人先輩が居たんですが、先輩がひどく疲れたような顔をしていたのを覚えています。「どうしたんですか?」と尋ねても、これと言った反応は無し。
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