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『もう、夜が明けるな』
少年は呟いた。
『さて…今日は何処に行こうか』
少年の出で立ちは普通の人間とは少し違っていた。
頭には耳があり後ろには尻尾がはえているのだ
まるで妖怪の山に住む白狼天狗を想像させる姿をしていた。
しかし、少年を白狼天狗と呼ぶには少し無理があった
何故なら白狼天狗の毛髪は白いのに比較すると少年の毛髪は正反対の色をしているのだ
そう少年の毛髪は真っ黒なのである。
また顔のほぼ半分を覆い隠す程の眼帯を左目に着けていた
目の色は金色でその瞳にはひそかな悲しみと確かな憎しみが篭っていた…
「とは言っても俺が行く場所なんかありはしはいがな…」
しばらく立っていると後ろから妖怪が飛び掛かってきたのだ
しかし少年は慌てる様子もなかった
そして妖怪の攻撃が今当たろうとした瞬間だ斬撃が走り妖怪の体が真っ二つに割れたのだ
「雑魚が…無駄に命を捨てやがって」
無表情のまま少年が言ったのだった。
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