scene2

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「どうしたの?」 そんな時、周りに居合わせた人は、不思議そうに、そう尋ねる。 私は笑って「何でもない」と応える。 少しの優越に浸りながら。 だって、彼らは知らないのだ。誰一人。私の体に無数のピアスが埋め込まれていることを。 どんな宝石達より美しいピアスの存在を。 何故なら、鏡に写った私の体には、耳たぶにすら、ピアスの穴は空いていないのだから。
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