ホテル1

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「うわー、ポートタワーが見える」 部屋に着くと窓辺まで駆け寄り夕暮れの風景にかじり付いて、明希(あき)は感嘆の声をあげた。 僕はポーターの男性に礼を言ってカードキーとボストンバッグを受け取った。 「むこうにはさっき乗った観覧車が見えるよ。イルミネーションがきれい」 彼女は1度こちらを振り向いたがすぐに外に視線を戻した。 僕らは高校1年生になったばかり。 こんな豪奢なホテルに泊まれるなんて信じられなかった。
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