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その言葉に押されるように、俺はホームへと降り立って
少し離れた改札口へと向かって歩く
ちょうど、特急を待っている由姫の乗る列車を眺めていると
さっき見たのと同じ人影
季節外れの厚着をした中肉中背
まさか、由姫をつけて来たんじゃないだろうな
『特急が通過します。黄色い線の内側で……』
少し嫌な予感を感じて
電車に戻ろうとしたのだが
向こう側のホームで特急が通り過ぎて
この電車も間もなく発車の時間
「ちょ、待っ……」
急いで飛び乗った所でドアが閉められ
車両が動きだした
とりあえず、由姫の所に戻ろう。
そう考えて車両を渡って
由姫の元へ、急いだのだが
「マジか……」
違う種類の車両が繋いであるらしく
その間を渡れない
なんとかして、由姫に教えなければ
としてポケットを漁った結果
ケータイが出てきたのだが
由姫を待つ間の暇つぶしの逢花とのメールが悪かったらしい
「電池切れかよ」
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