四←メイド服と変質者←

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電源ボタンを押しても ブラックアウトしたまま動かないケータイ どうしようもない無力感 由姫が降りるのは次の停車駅なのだが たったその区間の間でも 由姫の身になにかおきないか、心配でしかたない 早く、早く駅についてくれ。 そう願えば願うほど 腕時計が刻む秒針は、流れを遅めてゆく 無限のような1区間を俺は、焦るだけの気持ちで待っていた そんな無限の区間も 時間は止まる訳じゃない 長く感じた時間も終わり、やっと駅についた 俺は、開いたドアから飛び降りて 降りた人の波から、由姫の影を捜す 「いたっ!」 改札口に程近い場所 俺との距離はたった50メートルほどなのだが 人が溢れていて追い付けそうにない それでも、人をかきわけて、やっと改札口 少し先には由姫の背中 定期を出して改札口を抜けようとした瞬間 『乗り越しです。』 と、無情にも改札口の扉が閉じられた
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