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「とりあえず、落ち着きなさい。」
「落ち着ける場所でな。」
私を引っ張ろうとする夜人に軽く抵抗する
それだけで、動かないんだから
夜人もだいぶへばってるらしい。
「もう大丈夫よ。」
「大丈夫じゃないんだよ!
アイツがここまで追い掛けて……」
「知ってるわ」
状況を説明してやりたいんだけど
夜人は落ち着く様子もない
しかたない、最終手段だ。
逢花ちゃん的に無理矢理落ち着けてみよう
「落ち着きなさいよっ!」
逢花ちゃんが前に
夜人を抱き留めて落ち着けていたのを思い出しながら
夜人の頭を抱き寄せる
確か、頭を抱き寄せて、軽くぽんぽんと叩いたら……
「由姫、まずはお前が落ち着け」
「へ?」
半分、私の胸に顔を埋めた夜人
冷えた汗が、制服に染み込んで気持ち悪い
「なにが?私は至って冷静よ」
「じゃあまず、俺を放してくれ」
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