四←メイド服と変質者2←

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結局、助けてくれたのは夜人なんだけど いい所を持って行けないのが 夜人らしいと言えば、それらしい でもちょっと見直してやろう 汗だくになってまで探してくれて、ありがとう 「なに笑ってんの?」 「うるさいわね。寝てなさいよ」 指一本で、夜人を地面に押さえ付け 思わずニヤける顔を隠した 「うはー、地面が冷たくて気持ちいい」 べったりと地面に寝そべる夜人 私はその傍らにしゃがんで、夜人を観察する じっとりと汗を吸ったシャツと いまだ高い鼓動が波打つ背中 そこから伝うように流れる汗がアスファルトを濡らす 「ホントに全力だったのね」 「そりゃそうだろ  由姫がピンチだったんだから」 それらしく真面目な顔 私に向けられた目が 「お前はなにを言ってるんだ?」と聞く 「でも警察に任せれば良かったんじゃない?」 「もどかしかった。  もしその間に由姫が何かされたらどうするんだよ」
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