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「由姫。ドアが開かない……」
体育座りで、床に座り込み
絶望したように夜人は振り向く
そんな夜人に、私は風呂桶を投げ付け
「こっち見ないで!」
「スンマセン。ドアが開かないんです」
「目を瞑ってなさい。
開けたら殺すからね」
そう言って、浴槽を出た
それから、夜人が目を開けないか注意しながら
扉を開けてみたんだけど
夜人の言う通り、ドアが全く動かない
「なんで開かないのよっ!」
間違いなく、お母さんの仕業だ
向こう側からつっかい棒をかけてるんだ
たぶん、しばらくしたら取るつもりなんだろうけど
今、私と夜人になにを期待してるのかしら。
「俺は、どうすればいいんだ?」
「とりあえず、私を襲うとか
そんな選択肢は廃除しなさい」
私は浴槽に戻りながら釘を刺す
信頼はしてるけど
万が一もあるんだし、一応だ
「そんな事は全く考えてないぞ!」
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