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「……こっちよ。」
トントン、と夜人のために開けた場所を叩いて
夜人に場所を知らせる
それを確認するように、夜人は手を伸ばし
浴槽に手をかける
なんともおぼつかない動き
それが危なっかしいったらありゃしない。
それがいよいよ見てられなくて
夜人に気がつかれない程度
コケても大丈夫なように手を添える
「……お。ここか」
「違うわよ。それは洗面器
縁もうちょっと下」
「コレか。」
無駄な緊張感の下
ゆったりのんびりとお風呂に入ってきたんだけど。
「うおっ!」
手を滑らした夜人が
私の添えた手を巻き込んで
お風呂に突っ込み、飛沫が上がる
私が急いで抱え上げて助けてやらなきゃ
絶対に溺れてたに違いない
感謝しなさい。バカ夜人
「っはぁ!死ぬかと思った。」
「このバカ夜人っ!何してんのよ!」
「溺れた。」
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