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「社会って複雑なのよ。こんがらがってんの。サラリーマンってわかる?それ俺ね」
少年は、うんうんと目をまん丸にしながら俺の話に聞き入っている
「一流大学出て一流企業に入って学歴も名刺も武器に必死に頑張った。夜も誰より遅くまで残業してさぁ。晩御飯も1人で電気消えたオフィスでコンビニの弁当」
「がんばりやさん、俺ね」
「うんうん!それで?それで?」
「まぁ、あれだ。あなたが支える明日の日本ってやつ?」
そこまで言って俺の肩はどんと重たくなった。
「むくわれねえのに」
早く地面に着いてくれ
そうだ
俺は疲れたんだ
疲れ果てて、もう果てちゃったんだった
がんばりやさんのお人好し、
自惚れやでみじめなおばかさん
そういや~ちっさい頃よく、将来のボクって作文書かされたなぁ。明るい未来ってなんだっけ
それが俺
それが俺
「おめでとう!」
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