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少年が手を大袈裟に叩きながら叫ぶと周りにたくさんの落ちてく人間たちがいきなり出てきて
そいつらまで各々「おめでとう!」と手を叩きながら大声で叫んだ
「なんなんだ!?」
少年は満面の笑顔で言った
「やっとこっちに来られたね。この世界は流れにまかせて落ちてくのが普通なんだ!でもたまにオジサンみたいにどっか掴むのも大変そうな小さな小さな出っ張りに捕まって必死で頑張る人がいるんだよ。そうすると、こっちの世界が見えなくなっちゃうのさ!」
何言ってんだコイツ
「ほら周りをごらんよ
みんな落ちてく
幸せそうだろ
流れにまかせて堕ちてく楽さ
最高だろ!」
なんて幸せそうな表情
みんながみんな半笑い
甘いむせるような香り
ポツポツと必死に捕まって頑張るヤツを何人か見送ると俺の頭は完全に切り替わった
世界には不安不満不信なんてなかった!
頑張る事柄なんて一つとしてなかったんだ!
気付いた途端に俺はビュッと加速した
俺は流れ星になった
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