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みるみるうちに額には「正」の字ができあがり白い電車に乗る日がやってきた。
電車の中で僕はどんな殺され方をするのか考えた。でもなんとも言えないすがすがしさがその考えを連れ去った。
いつもと逆方向へ進む白い電車。
見たこともない美しい景色がゆっくりゆっくりと流れていった。
暖かい木漏れ日に体がすっかりリラックスして僕はいつのまにか眠ってしまった。
「着きましたよ」
白い車掌が僕の方を優しくたたいた。
外をみると見渡す限り畑が整然と並んでいた。電車から降りるとどくとくの匂いが鼻を突いた。
これは大麻?
一面見渡す限りの大麻畑だ!
よく見るとポツリポツリと人がいてオシャレなキセルでそれを吸ってた。
「遅えわ」
聞き慣れた懐かしい声。
そこにはマイクがキセルを片手にやっぱりニヤリとした顔で僕を見ていた。
知らずにラリってるあいつらよりよっぽど優美な世界だった
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