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『これしきで根を上げるのか、将臣。修行が足りぬ…』
『んな事…言ったって…く…っ…、激しすぎんだよ…リズ先生…は…っ』
「ま……将臣…」
九郎はその場にズルズルとへたり込んだ。
睦み合っている最中に交わされるような会話、互いの乱れた吐息、そして苦しげな将臣の言葉…。
青ざめた表情のまま九郎の瞳から涙が零れた。
「わわ…く、九郎?落ち着いて、ね?」
「………………」
慌てて慰めようとする景時の言葉も、今の九郎の耳には入らなかった。
「うーん、ちょっとからかい過ぎたかな?」
九郎の様子を見てヒノエが立ち上がる。
そしてそのまま扉のノブに手をかける。
「えっ…、ちょ、ヒノエくん…っ!?」
「邪魔するよ」
「い、嫌だっ、ヒノエ……!」
二人の制止も聞かず、ヒノエは扉を開いた。
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