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「……何故私の家にいる」
扉を開いて入って来たヒノエに、リズヴァーンは怪訝な表情をした。
「ヒノエじゃねえか。何してんだ、こんなとこで」
将臣も驚いたように目をぱちくりしている。
「九郎がね、わんわん嘆いて俺ん家来るから、いい加減引き取ってもらおうかと思ってさ」
「ヒ、ヒノエくん…いくら何でもこんな現場に……って、あれ?」
「ま…将臣……?」
将臣とリズヴァーンはベッドで睦み合っているわけでもなく、ただ床に座り込み両足を伸ばした将臣の背中をリズヴァーンが押しているだけだった。
「将臣…何をして…?」
「何って見りゃ分かんだろ。ストレッチだよストレッチ」
「激しい運動の後には体を解す事が必要だ」
「激しい……運動……」
師の言葉にまた九郎の表情が蒼白になっていく。
ヒノエがそれを見て溜め息をついた。
「あのな、その被害妄想どうにかなんないわけ?将臣は九郎のために修行してんだよ?」
「修行……?」
「おおっ、そういや九郎には言ってなかったな。俺は今、リズ先生に修行を受けてんだよ。…お前を守れるように」
「俺を…?」
ストレッチを終えて将臣が立ち上がる。
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