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「……お前ら、なにやってんの」
怪訝な表情でヒノエは2人を見た。
「ヒノエくん~、たすかっ、ぐはあっ!」
景時の後頭部にヒノエの回し蹴りの一撃が浴びせられ、座っていた椅子から転げ落ちた。
「俺がいない間に男を連れ込むなんて、いい度胸してるね景時」
仰向けに倒れた景時の腹に乗ると、シャツの襟を両手で掴んでぐわんぐわん揺さぶる。
「ち、違っ、ヒノエ、くん、待っ、舌、噛み、そ」
後頭部の直撃の後にこれだけ頭を揺さぶられると、意識が飛びそうだ。
誤解だと必死にジェスチャーで伝えようとわたわたしていると、その様子を見ていた九郎がワッと泣き出した。
「…なんだ、どうしたんだよ九郎」
景時の首を締めにかかっていた手を止めて、ヒノエは驚いたように九郎を見る。
「お前達は仲が良い…だが、俺達は……うっ…う…っ」
瞳いっぱいに溜まった涙が次から次へと溢れ出す。
訳も判らずキョトンとしているヒノエに景時は話し始める。
「あのねヒノエくん、実は将臣くんがね……」
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