源氏の武士、涙に暮れる

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  「ふぅん、将臣がねぇ。しかもリズ先生と…」   景時の誤解も解けて3人で机を囲む。   ヒノエは大して興味もなさそうに欠伸をした。   「きっと将臣は今頃…リズ先生と…っ」   勝手に情景を思い浮かべて、またポロポロと涙を流す九郎。   それを見たヒノエはウンザリしたような表情で溜め息をついた。   さすがの景時も、何時間もこの繰り返しを聞かされ見せられ、正直なところヒノエと同じ気持ちだった。   「…そんなに気になるなら、リズ先生のマンションまで行きゃいーだろ」   「え……」   ヒノエの言葉にポカンと九郎が口を開く。   「だから、将臣とリズ先生が夜な夜な会っては朝方まで帰って来ない理由を確かめんだよ。景時、車出しといて」   「え?あ、うん…」   ヒノエの言われるまま立ち上がると、壁にかけられていた車のキーを手に取り、景時は家を出て車庫へと向かった。   「ほら、九郎。お前も行くよ」   「し、しかし…」   「仮にも源氏の武士がピーピー泣いて格好悪いと思わないのかい?真実が知りたいなら行動を起こさないと」   半ば引きずられるようにして九郎は外へと連れ出される。
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