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家について依頼書に目を通す。
ちょっと前までは依頼書なんて2、3枚だったのに今や束だ。
私のことを少しは気遣ってほしい。
私はまだ17歳で、やりたいことだってあるというのに。
まあ仕方ないが……。
「えっと~。ヤバそうなのは~っと」
依頼が多い今では危険度の高そうなものから手をつける。
束を崩して憑きものや祓いのような仕事は取りあえずおいておく。
そうやって何枚かの内容を読んだとき困った内容があった。
【天狗を封印してほしい】
一瞬冷や汗をかいた。
天狗!?
さっき見かけた感じの!?
冗談じゃない!
天狗の対抗手段も知らないのに出来るわけがない。
しかしもし本当に天狗で被害を受けているのならほっとけない。
…封印くらいならなんとか出来るかも……。
陣を書いて天狗をその中へ追いやれればなんとかなるかも知れない。
仕方ない。
この依頼、受けますか…。
私は依頼人へ返事の頼りを出した。
一応私も術者だ。
人形の紙に文を貼り付けて飛ばした。
「天狗か…。逆にやられたらどうしよう……」
障子と障子の間から見える空を見上げる。
「話が分かれば話をして山に帰ってもらおう」
あまり得体の知れないモノとやり合いたくない。
「明日のために古文書読み直そう」
私は立ち上がって離れの書庫に向かった。
少しでも天狗に対抗する術を知っておきたかったから………。
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