防衛本能

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外見の美しさに加え、その妖しさで純はわずか数週間でNo.1ホステスに上り詰めた。 客に媚びずにさりとて見下すわけでもなく静かに微笑む純の魅力に何人もの男が交際を申し込んだが、純が首を縦に振ることはなかった。 純がホステスとなり2ヶ月が過ぎようとしたある晩、普段見慣れない客が来店した。 一見上品な装いに見えたが純はその数名から血の匂いを感じ取った。 「ママ、あの方々は……」 ママと呼ばれた着物姿の女が純を見た。 「くれぐれも粗相のないようにね。」 純がテーブルに着くと中心格の男が訊ねた。 「あんた、いつからこの店に?」 純が答えると男は頷いてグラスを傾けた。 男たちはあまり会話をせずに静かに飲んでいた。 1人の男が携帯を出した。バイブにしてあったらしく音は聞こえなかった。 男は携帯を中心格の男に差し出した。 「高畑さん、社長からです。」 純の動きが一瞬止まった。
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